2012年4月17日火曜日

CDプレーヤの修理のヒント


海外の不便な地で生活している方々のための家電修理のヒント

ぼくは、涙の出る人間の目がうらやましいよ

CDプレーヤ(英: CD player ; 仏: lecteur de disques compacts)は、オーディオコンポ、CDラジカセ、CDウォークマン、パソコンのCD-ROMドライブなどに組み込まれています。

[主な故障の症状]

  1. ディスクが回らない、回ってもエラー表示になる
  2. 音飛びがする
  3. ディスクトレーが開閉しない
  4. モータの種類(補足)

[用意するもの]

耳かき用の軸の柔らかい綿棒、アルコール、プラスとマイナスのドライバー(大・中・小)、など。
場合によっては、ミシン油、シリコングリースもあるとよい。

[対処法]

1. ディスクが回らない

ディスクが回らない原因の第一は、レンズに着いたほこりです。まず電源コードをコンセントから抜きます。次に、綿棒の先端にごくわずかのアルコールをしみ込ませ、耳掃除の要領でやさしく綿棒の軸を回転させながらほこりを拭き取ります。最後にアルコールの着いていない方の綿でアルコールを拭き取ります。これでレンズはきれいになります。

CDプレーヤは、ディスク上の記録を認識できないと正しく回転しません。CD用レンズクリーニングディスクは、レンズが汚れてしまってからでは挿入してもほとんど回転せず、従って効果がありません。クリーニングディスクをお使いになるのなら、汚れの予防用と考えてください。


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レンズが機器の内奥部にある場合には、ねじ回しを使って筐体(ケース)を開けねばなりません。ネジは失わないように、抜いた順に並べておきます。コネクタ類をはずす時は、位置や向きを間違えないよう、油性マーカで印をつけておくと、後で再接続する時に楽です。

レンズがきれいになれば、CDが回り始めるでしょう。エラー表示もずっと減ります。これでもまだ治らない場合は、ピックアップの出力をほんの少しだけ上げてやります。これは、ピックアップユニットの側面などについている黄色や白色の半固定ボリュームを、時計の長針にして2、3分相当の角度だけ、時計方向に回すのですが、ややデリケートな作業です。元の位置を覚えておく為、初めにマーカーで線を引いておきましょう。一度で症状が改善しなければ、同じ事をくり返してゆきます。この半固定ボリュームを回し過ぎると、CDが異常な高速回転をする、全く回らなくなる、逆転する、などの症状が表れます。

半固定ボリュームがいくつかあってどれを回したらよいのかわからない場合は、ピックアップに最も近いもので試します。 半固定ボリュームには、トラッキング調整用、レンズフォーカス調整用などもあります。これらの半固定ボリュームを誤って動かしてしまうと、計測器なしで再調整するのは困難です。作業はご自分の責任で実行してください。


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さて、これでもまだCDの演奏が始まらない場合は、難しい故障ということになります。考えられるのは、ピックアップの故障もしくは出力低下、信号処理回路の故障、スピンドルモータもしくはそのサーボ回路の故障などですが、診断には図面や測定器が必要になるので、ここでは割愛します。

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2. 音飛びがする

音飛びの原因は、CDの傷や汚れか、ピックアップキャリッジ(レール)のグリースの劣化(=硬化)によるもの、スピーカーの振動によるものなどです。CDが汚れたら、柔らかい布でCDの内から外に向かって拭きます。CDに細かい傷がある時は、プラスチック用や木製家具用のつや出しクリーナーで根気良く磨くと、結構うまくいくことがあります。

どのCDを再生しても同じ程度の演奏時間の経過後に音が飛び始める場合は、ピックアップのレール上の固くなったグリースやほこりをアルコール綿棒で拭き取ってください。その後に新しいシリコングリースがもしあれば塗り、なければ高級ミシンオイルかCRC(潤滑スプレー)をごく軽く塗っておきます。スプレーは噴霧が飛び散らないように気を付けます。一度の作業で音飛びが治らない事もあります。治るまで何度でもくり返します。

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3.ディスクトレーが開閉しない

もしディスクが中に入っているのなら、筐体を開けて、ていねいにディスクを取り出してください。


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ディスクが入っていない状態でトレーが出て来ないのなら、OPEN/CLOSEのボタンを押しながらトレーに耳を当て、モーターが回る音が聞こえるかどうか、調べます。モーターの回る音が聞こえなければモーターに問題があります。静かな場所で確認してください。

OPEN/CLOSE のボタンを押したときに、もしモーターが回っているようなら、トレーの開閉用モーターのゴムベルトが切れていないか、伸びてスリップしていないかなど、調べます。いずれの場合もゴムベルトを交換しなくてはなりません。

トレーを半分ほど出した状態で手で軽く押したり引いてみて動きがスムースでなければ、トレーの左右(または片側のみ)のレール(プラスチック)の滑走面にシリコングリースを塗布します。

ディスクを5、6枚収納できるタイプで、ディスクチェンジャーのメカニズムの動作が狂っている場合は少々厄介です。まず、制御回路をリセット(または電源プラグを数時間抜いておく)して、治るかどうか見ます。まれに治ることがあるからです。治らなければディスクチェンジャーのメカニズムをオーバーホールする必要があるかも知れません。これはメカ的なセンスを要する作業なので、自信がなければ修理に出すのが無難です。

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モータの種類(補足)

最後に、CDプレーヤに使われているモータには、次のようなものがあります。


  1. スピンドルモータ:CDを回転させる。
  2. キャリッジモータ:ピックアップを移動する。ピックアップの移動時にシリリシリリと聞こえる耳障りなノイズを出す。歯車やウォームギヤで減速する。
  3. ローディングモータ:CDトレー、CDキャディ、裸のCDなどを出し入れする。
    CDが出し入れできない時は、ローディングモータのゴムベルトが弛んでいないか、調べます。
  4. ディスクチェンジャーモータ:複数のディスクを収納する機種で使う。
    ディスクチェンジがうまく行かない時は、このモータのベルトやギヤを調べます。

今日、モータ自体の故障はめったになくなりました。長期間使わなくてモータの回転子が固まってしまったような場合は、手で軽く回転させてやると元気に回り出すことがあります。3.と4.は、動力を伝えるのに、ゴムベルトを使うのが普通です。ベルトが伸び過ぎたら、良品と交換しなくてはなりません。(交換部品の入手方法は、第12章で紹介します。)伸び過ぎていないのに空回りするようでしたら、ベルトのほこりとゴムあかを拭き取ってください。

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