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無料、オープンソース、クロスプラットフォームの音声加工編集ソフトです。
Version 1.2.4
これはAudacityのためのオンラインヘルプです。 ただし簡単な"索引"であって、完全なマニュアルではありません。 オンライン用完全マニュアルはこちら。ダウンロード用のマニュアルは、 文書ページをご覧ください。
翻訳者の小森より一言:
Audacityという素晴らしい音声加工ソフトと、この丁寧に作られたヘルプに対し、 一人の日本人としてAudacity開発スタッフに感謝の意を表します。 なお、このヘルプはAudacity 1.2xのものです。1.3xでは一部操作が異なります。 その部分に関してはできる範囲で(訳注:)としてフォローを入れてます。
ツールバー:
メニューバー:
トラック:
その他:
編集ツール
オーディオコントロール ボタン
ミキサーツールバーには、オーディオデバイスの音量調整や入力元の選択といった三つのコントロールがある。 左端のスライダーは再生音量を、真ん中は録音音量を調節する。そして右端は"マイク"、"ライン入力"、"CDプレイヤー"といった 入力元を選択できる。適切な音量レベルにするには 録音レベルメーターを見ればよい。
これらのスライダーで音量を変化させても、(録音された後の)プロジェクト内の音声データそのものには影響を及ぼさない。言い換えれば、 出力したりプロジェクトをセーブしたりするときの出力ボリュームレベルは気にしなくて良い。結果は同じだ。 (訳注:音量は波形の大きさで決まるので。)
このツールバー上のボタンで動作が実行できる。−いくつか例外はあるが、それらはすべて時間を節約するためのメニューのショートカットである。
ボタンの意味がわからなくなったら、マウスカーソルをボタンの上に持って行き『ツールチップ』(の説明)を見ればよい。
メータツールバーは音の入・出力レベルを計測するために使われる。 典型的な使用法は、音がきちんとそれ本来の音の大きさで、クリッピング(音割れ)や音歪みせずに録音されているか確かめることだ (録音した音をできる限り忠実に再現するため)。 出力(再生)メーターは緑で上図左側、入力(録音)メーターは赤で右側。
このメーターはAudacityに出入している音のレベルをそのまま視覚表示する。
もしメータツールバーを分離させたいなら、ツールバーからドラッグするか、ビューメニューから「メータツールバーを分離」 を選べばよい。それの大きさを変えられるだけでなく、垂直方向に表示させることもできる。
通常このメーターは再生時か録音時でしか動かない。しかし、入力メーターのポップアップを開き「モニターを開始」を選択するか、 単純に入力メーターをクリックするかだけのどちらかで、録音していなくても入力レベルを見ることができる。 もしマイクやその他の入力元を繋いでいれば、録音を開始する前に(試しに音を入れて)レベルを見ることができるだろう。
それぞれのメーターは一度に音声のいろんな様相を見せてくれる:
- メーターが右側まで達するということは、その音が音割れしているのと同じことで、 左側に来れば無音である。
- ステレオについては、上のバーが左のチャンネルを、下のバーが右のチャンネルを表している。
- バーの最も明るく光っている部分は、(音の大きさの)平均音量を示しており、 少し暗い部分は最高点の音量を示している。
- これの右側のピークホールドライン(最高点を残したままにする線)は過去三秒内に達した最大音量を示している。
- それぞれのメーターの右端にあるクリッピング表示は、最終的にクリッピングが感知されたら明るく光ってしまう。 (感知というのは音が大き過ぎて、再生したら歪んだ様に鳴ってしまうこと)
もし録音中にクリッピングが感知されたら、録音を中断し、入力元の音量を低くして、始めから録音しなおすべきだ。 出力メーターで音割れしたら、トラックのゲイン調整を使って、 複数もしくは全てのトラックの音量を少し静かにさせる必要がある。
入力(録音)元の音量が大き過ぎたら、ミキサーツールバーを使って入力レベルを下げてみるこ とも可能だ。 しかしそれがうまく働かなかったら、外部の入力元(マイク・カセットプレイヤー・レコードなど)の音量を下げてみるべきだろう。
特に、もし古くて処理の遅いコンピューターを使っていたら、 メータツールバーがAudacityにおける最高品質での録音または再生を妨げるかもしれない。 その理由は、コンピューターがメーターの描写を優先し、必要な音声処理の時間を取れなくなってしまうからだ。 そうなった場合、 選択ダイアログのインターフェースタブでメータツールバーを無効にできる。
(訳注:「編集」→「設定」→「インターフェース」タブ→「メータツールバーを有効」のチェックボックスを外すことを指している。 1.3xでは「ビュー」→「ツールバー」)
トラックポップアップメニューはトラックのタイトルをクリックした時に現れる。 ここからそれぞれのトラックに適用される、いくつかの特別な指示が出せる。
名前... - トラックの名前が変更できる。
トラックを上へ移動 - 上のトラックと交代
トラックを下へ移動 - 下のトラックと交代
波形 - 波形表示に設定 - 何もしなければ音声を視覚的に見るのはこの状態になる。
波形 (dB) - 上の波形と似ているが、対数計算尺において、デジベル(dB)で計られている。
スペクトログラム表示 - 様々な周波数帯でのエネルギー量を表すスペクトログラムでトラックを表示する。
ピッチ (EAC) - 強自動相関化アルゴリズム(EAC)を使って、音の基本波(音調)の輪郭を明るく表示させる。
モノラル - そのトラックがモノラル、つまり一つだけのスピーカーで再生させるか、左右のスピーカーから均等に音を再生させる、ということ。
左チャンネル - 左のスピーカーからのみ再生させる。
右チャンネル - 左のスピーカーからのみ再生させる。
ステレオトラックの作成 - もしそのトラックの下に別のトラックがあったら、それらを結合して一つのステレオトラック(上は左、下は右)にする。 トラックがステレオのペアとして結合された後は、全ての編集は自動的に左右両チャンネルに適応される。
ステレオトラックの分離 - もし選択されたトラックがステレオトラック(右と左の両トラックが一つのトラックとして結合されている)なら、 この操作はそれらを個別に加工したり編集したりできる、二つのトラックに分離する。
サンプルフォーマットを設定 - これは音声データの品質と(このデータを処理する際の)ディスクスペースの総量を決定する。 16-bitはCD音声で使われる品質であり、Audacity内で使われる最低品質でもある (8-bitの音声ファイルはそれを取り込んだときに、自動的に16-bitに変換される)。 24-bitは高級なオーディオ製品に使われている。32-bit float(フロート/浮遊点)はAudacityがサポートし ている最高品質である。 処理の遅いのコンピューターを使っているか、ハードディスクの空き容量が足らない場合を除いて、32-bit floatを使うことを推奨する。
レートをセット - そのトラックでのサンプル数/秒を設定する。44100 HzはCD音声に使われている。 Audacityにおいて各トラックはそれぞれ個別のサンプルレートを持つことができる; それらは自動的に(ウィンドウの左下に表示されている)プロジェクトサンプリング周波数にリサンプルされる。 (訳注:プロジェクトサンプリング周波数/サンプルレートというのは、その音声を書き出す際の周波数のこと。 例えば22050 Hzの音を加工・編集していてもプロジェクトサンプルレートが44100 Hzだったら、 書き出した音声ファイルは44100 Hzになる。)
新規 - 空白の新規ウィンドウを作る
開く... - 新規ウィンドウで音声ファイルかAudacityのプロジェクトファイルを開く(現在のウィンドウが空白でない場合)。 使用中のプロジェクトファイルに音声ファイルを加えるには、 プロジェクトファイル メニューの「取り込み」のどれかを使うように。 (訳注:1.3xでは「ファイル」→「取り込み」)
閉じる - 変更を保存するかどうかを聞いて、ウィンドウを閉じる。 WindowsとUnixでは、インターフェース Audacity の設定でこの行為を変更しない限り、 最後のウィンドウを閉じるとAudacityは終了する。 (訳注:「編集」→「設定」→「インターフェース」→「最後のウィンドウを閉じるとAudacityを終了します」のチェックのこと)
プロジェクトファイルを保存 - ウィンドウ内の全てをAudacity専用フォーマットに保存する。 その結果、作業の保存と速やかな再開が可能になる。 Audacityのプロジェクトは、末尾に".aup"が付くプロジェクトファ イルと、 "_data"が付くプロジェクトデータフォルダから成る。 例えば、もしプロジェクト名を"Composition"とした場合、 Audacityは"Composition.aup"というファイルとComposition_dataという フォルダを作る。 Audacityのプロジェクトファイルは他のプログラムと共有するようにはなっていない。−編集を終えた時に、どの「書き出し」(下記)を使ったとして も。
プロジェクトファイルを別名で保存... - プロジェクトファイルを保存(上)と同じだが、新しいファイル名で保存できる。
最近使ったファイル - すぐにまた開くことができるよう、最近Audacityで使ったファイルの一覧を出す。
別名で書き出し WAV... - プロジェクトの中の全ての音声ファイルを、非圧縮音声の工業標準フォーマットであるWAVファイルで書き出す。 「編集」→「設定」(Audacityの設定)→「ファイル形 式」を開いて、 「非圧縮書き出しフォーマット」で選択すれば、標準ファイルフォーマットを変更することができる。 もし二つ以上のトラックがあるか、もしくはサンプルレートを変えているならば、書き出しは自動的に合成・リサンプルされることに注意せよ。 音声ファイル形式の項も見ておくように。
選択部分を別名で書き出し WAV... - 上と同じだが、選択部分のみの書き出しになる。
MP3 ファイルの書き出し... - MP3ファイルとして全ての音声を書き出す。MP3ファイルは圧縮されており、 それゆえ、ほとんどディスクスペースを必要としない。しかしそのファイルは幾分音声品質を失っている。もう一つ選択できる圧縮形式はOgg Vorbis(下)である。 MP3圧縮の品質設定は「編集」→「設定」(Audacityの設定)→「ファイル形式」。 MP3 書き出しの項も見ておくように。
選択範囲を MP3 ファイルに書き出し... - 上と同じだが、選択部分のみの書き出しになる。
Ogg Vorbis ファイルの書き出し... - Ogg Vorbisファイルとして全ての音声を書き出す。 Ogg Vorbisファイルは圧縮されており、それゆえ、ほとんどディスクスペースを必要としない。しかしそのファイルは幾分音声品質を失っている。 Ogg Vorbisファイルは同じような圧縮品質であっても、MP3よりほんの少し少ないディスクスペースで済む。 またOgg Vorbisは特許やライセンス制限から解放されている。しかしOgg Vorbisファイルはそれほど普及していない。 Ogg圧縮の品質設定は「編集」→「設定」(Audacityの設定)→「ファイル形式」。 (訳注:1.3xでは保存する時に「オプション」で品質を決める。)
選択範囲を Ogg Vorbis ファイルに書き出し... - 上と同じだが、選択部分のみの書き出しになる。
ラベルの書き出し... - もしプロジェクトにラベルトラックを作ってい たら、 テキストファイルとしてラベルを書き出すことができる。 「プロジェクトファイル」の「ラベルの取り込み...」で、 同じテキスト形式(中の書き方が同じという意)であればラベルを取り込むことができる。
複数ファイルの書き出し... - たった一つの手順を踏むだけで、プロジェクトを複数の音声ファイルに分割することができる。 それを水平(1トラック毎に書き出し)に分けることも、 垂直(書き出されるファイル間の分離点が指定されているラベルトラックを使い、 一つのトラックを複数の音声ファイルに分割)に分けることも可能だ。
ページ設定 - 印刷オプションとプリンタの設定を使って、トラックの波形の印刷具合を調節する。
印刷... - トラックと波形を表示しているAudacityからメインウィンドウ(波形が表示されている部分)を抜き出して印刷する。
終了 - まず保存していない変更を保存するよう促して、全ての(トラックの)ウィンドウと起動しているAudacityを閉じる。
アンドゥ - プロジェクトを実行した時の最後の操作を取り消す。(取り消して一つ前の状態に戻す。) Audacityは無制限のアンドゥが可能だ。−つまり始めにウィンドウを開いたところまでの、全ての編集操作を元に戻すことができる。
リドゥ - アンドゥされた操作をもう一度そのまま行なう。(アンドゥした後に)新しい編集操作を行なうと、 それ以前にアンドゥした操作をリドゥすることは二度とできなくなる。
カット選択された音声データを切り離して、クリップボードに置く。 一度に一回(の切り取り)のみクリップボードに置くことができる。 しかしその選択には複数トラック(の選択)も含まれる。 (訳注:複数トラックの部分的な選択は、上のトラックに縦線のカーソルがある状態で、Shiftキーを押しながら下のトラックを選択する。上下は逆でも 可。)
コピー - 選択された音声データをクリップボードにコピーする。プロジェクトからそれを切り取りはしない。
ペースト - プロジェクトの中の選択部分かカーソルがある所に、クリップボードに置かれているものを挿入する。 たとえほんの少しでも選択されている音声データがあれば、(その部分と)置き換えられる。
トリム - 選択部分の右側と左側を切り離す。(選択された部分だけ残る。)
削除 - 現在選択されている音声データ部分を切り離す。クリップボードにコピーはしない。
無音 - 現在選択されている音声データ部分を消す。その部分は切り離されるのではなく無音に置き換えられる。
分割 - 選択されている範囲を、その範囲だけが載る新しいトラックに移動させる。 元トラックの影響された(移動した)部分は無音として置き換えられる。下図参照:
複製 - 1つまたは複数トラックの、部分もしくは全てを新しいトラックに複製する。下図参照: